ジュークがこね、XVがつきし天下餅、座りしままに喰うはヴェゼル・・・。あれCX-5は?・・・。ハイアーもエクストレイルも予想以上に順調だそうですが、こちらはモデルチェンジ組で前モデルもかなり好評で乗り換え顧客を十分に囲い込める恵まれた環境ではありますね・・・。一方でジューク、CX-5、ヴェゼルといった新規車種が次々とヒットをとばす「都市型SUV」というジャンルは、日本メーカーにとって思いもよらない金鉱脈だったようです。
機能性を高めて年々シェアが上がっている軽自動車の人気の裏で、日本人の中流意識が邪魔して軽自動車へと安易に流れられない層を上手く取込む普通車のジャンルがこれまで未発達だったように感じます。実際にファミリーユースになるとハッチバックもセダンも2人乗りのスポーツカーと大して変わらないユーティリティしか発揮できません。実際にクラウンの後部座席よりもヴェゼルの後部座席の方が圧迫感が少ないと感じるほどです。
なぜ400万円程度もするクラウンを買って窮屈な思いをしなければいけないのか?しかも最近のセダンはデザイン優先で全高をさらに低く抑える傾向にあります。常に3人以上の乗車をするユーザーにとってはセダンはますます選択しにくくなっていて、ワゴンに関しても同様に苦戦が続いています。
ワゴンRとムーブに代表されるハイトな軽自動車が爆発的にヒットして以降、普通車にユーザーが求めるものもかなり変わってきたようです。機能性を高めた軽自動車によって、結果的に普通車の淘汰は進んでいるようで、付加価値の感じにくい現行カローラやオーリスがトヨタの販売網を使っても惨敗しています。もちろん軽自動車を最初から検討しない層もいますが、ワゴンRと比較したときに明らかに居住性が劣ると思われる普通車などはたくさんありますし、普通車へ向けられるハードルを結果的に押し上げています。
カローラの惨敗を受けて、普通車はハイブリッドじゃなければ売れないという声もありますが、マツダアクセラのように予想以上にHVが不人気になっているケースもあり、単純に付加価値=HVというわけでもないようです。ヴェゼルも必ずしもHVゆえの初動受注2万4千台というわけではなく、ホンダが全精力を傾けてユーザーの嗜好を徹底調査したデータに基づいて、「欲しい」と思わせるクルマを見事に作りあげた成果だと思います。
軽自動車より使えない普通車なんて論外だし、価格面で納得できる範囲(安過ぎず高過ぎず)に落とし込んでいて、ムダな大排気量でのランニングコストの高騰を抑えて・・・といったユーザーの切実な想いを総合するとホンダの設定は実に見事だなと感心します。もしかしたらハリアーの2万台を相当意識したステマなのかもしれませんが・・・。
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