北米でのホンダの苦闘を見ていると、自動車メーカーという商売の難しさをつくづく感じます。あまりにも理想に走り過ぎてしまった過去10年の開発を、どうにか必死で軌道修正しています。これまでの北米依存構造のおかげで欧州危機の影響は限定的だったホンダですが、欧州の回復基調という時流を読んでか、中国・日本・欧州のそれぞれの市場を分析したモデルを次々に登場させて、収益を分散させてリスクヘッジを行う戦略に出ました。
NSXのV10モデルのお蔵入り、アキュラ日本導入の白紙撤回に加え、CR-Z(スポーツHV)や燃料電池、LNG車の市販化を強引に押し進めた結果、利益が出ない車種の増加などの、経営判断の「迷い」が出た中で、北米でのドル箱車であったアコードの転落はかなり衝撃が走っているかもしれません。他のメーカーとの協調戦略を取らない「一匹狼」のホンダが単独で「燃料電池車(FCV)」や「天然ガス車(LNGV)」を展開したところで、アメリカのインフラは全体的にEVへシフトしてしまうわけです。
なんで国土の広いアメリカで航続距離が持たないEVなのか?がホンダの大きな誤算だったようですが、いまやLCC網が全土を覆ったアメリカでは300kmの移動なら航空機が断然に有利になっています(場所にもよりますけど)。さらにシェールガス採掘によって余剰となったおかげでガソリン価格も安定(うらやましい)したためにHV車の売上も頭打ちになり、しかもフルHVを搭載したモデルがGM・フォード・ヒュンダイからも発売されており、もはやトヨタ・ホンダの独壇場ではなくなってしまったのも痛いところ。鳴りもの入りで去年発売した、アコードやフィットに搭載されている「アトキンソンサイクルのHV」もすでにフォードがラインナップ済みです。
さて八方塞がりになってきたホンダが復活をかけるのが、フォードをパクるかのように開発した1L・1.5L・2Lのガソリンターボ。当面は欧州と日本を除くアジアに展開するモデルに搭載し、そこで一定の評価を得た上でアメリカを目指すのではないかと思われます。フォードの「エコブースト」もまったく同じ排気量の設定。しかも同じような方向性で開発がすすんでいるようで、1Lは3気筒で「1.8LのNAを代替するダウンサイジング」、1.5L(直4)は「2.4LのNAを代替するダウンサイジング」と公表されています。
先日、フォード・フォーカスの新型が発表されましたが、やはり1.8LのNAを1.0L「エコブースト」に全面的に置き換えてきました。すでに先代から1.0Lターボが追加されてはいたのですが、今度はこれが北米でもベースエンジンになるようです。そしてホンダ・シビックも間もなく新型がアナウンスされる予定ですが、全く同様に1.0L「Vテック・ターボ」が使われる見通しです。
さらに販売減で苦しむアコードの切り札として、こちらもフォード・フュージョンと同じく1.5L「Vテック・ターボ」が追加されるようです。「Vテック・ターボ」はどちらもレギュラー対応。オクタン価がNAに比べて3倍も影響するターボはこれまでは『ハイオク指定」が当然でしたが、ホンダとフォードのターボはレギュラーで同等の性能が出せるまで改善しました。これは新興国ではハイオクが十分に供給されないのでダウンサイジングターボが展開しにくいという理由があるのだとか。VWも東南アジアなどではターボを外した1.2Lエンジンを使っているのが実情で、その市場にレギュラー対応のターボを売りさばくのが狙いみたいです。
日本で現在発売されている、「ハイオク」ターボ車のメリットはGT-RやWRX STIのようなスポーツニーズを除けば、ほとんどがメーカーの利益確保の為の「ふざけたシロモノ
」で、アイドリングストップや気筒休止でしたたかに燃費を稼ぐ「本末転倒」なものばかりでした。よってホンダも全く興味が無かったようですが、フォードが考案した「2クラス・ダウンサイジング」には大きく賛同しました。アコードの2.4LのNAを2Lターボにしてもほとんど意味はないけど、1.5Lターボで代替すればエンジンの重量が30kg近く減らすことができるため、十分に「効率的」だというわけです。十分に「効率的というのは、アコードHVが実現した「熱効率39%」という数値と同等の性能を発揮するポテンシャルがあるという意味だそうです。これまで既存のターボには完全に否定的な考えを持っていましたが、フォードとホンダのターボに関しては認めざるを得ないですね。
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2014年4月22日火曜日
2013年9月5日木曜日
「セダン愛」ならアコードHV1台だけで終わらせないで・・・
ホンダの3ナンバー車の販売台数は急速に落ち込んでいて、現在約2500台/月になっています。これはなんとスバルやマツダの1/4程度の水準です。それでもスバル・マツダよりも利益が出せている素晴らしいカラクリの経営となっていますが、やはり花形車種の減少でブランドイメージの低下は現実に起こっているようです。
日本国内の販売構造の変容はともかく、ホンダは今後段階的に中型モデルの刷新を図って、世界販売においては600万台まで増強する中期目標が公表されています。中型モデルが主軸のホンダではこれらの部品共通化で生産性の向上を目指すプランが盛り込まれてて、まるでVWの「MQBプラットホーム」を真似たような企画なのかなと推測しています。いまや1000万台級のメガメーカー(トヨタ・GM・VW)は小型車の増強で台数の底上げを図っていて、追撃するホンダも600万台越えとなると、中型車だけでは達成は困難で、新興市場にオートバイとセットでさらなる拠点を投下していくことになりそうです。
主力のアコードとフィットのFMCが既に行われました。その内容は「石橋を叩いて渡る」ような理詰めの常識的なマーケティングを前面に押し出したものになっています。どちらもトヨタのヒット車であるカムリHVとアクアをそれぞれ強く意識しています。マーケットも熟知した上での「後だしジャンケン」で、合理的に燃費性能できっちり上回っているのだから売れないはずはないでしょう。
それでもはたしてカムリHVやアクアのデビュー時に市場が感じたインパクトを超えられるのかと言われればやや疑問が残ります。カムリHVもアクアも周囲の予想を良い意味で裏切り、トヨタらしからぬ前衛的な好デザインで登場したことがスマッシュヒットにつながりました。もちろん燃費も素晴らしいですが、それ以上にデザインに唸った人々が多かったように思います。そしてこの2台のライバルとして、ホンダの新型車が登場してくるわけですが、アコードHVとフィットのデザインの印象はどうも訴求性が弱く感じてしまいます。
それでもアコードHVもフィットも競争力が高く、しぶとく国内シェアを切り取っていくだろうことは予想できます。ただこのままだとホンダの独創性は一体どこへ行ったのか?という一抹の不安も同時に感じます。ホンダの首脳部もこのことには既に危機感を持っているようで、日本で発売するかどうかも不明なNSXやレジェンドの情報を発売の3年以上前から積極的にリークをし続けていたりします。どうやらNSXもレジェンドも1000万円クラスのトップエンドカーになってしまうようですが・・・。
日本で発売されるホンダのラインナップでミドルクラスはCR-Vを除くと、アコードHVのみという設定になっています。これははいくらなんでも極端だと感じてしまいます。いくらハイブリッドが人気だからといっても、MAX燃費が60km/h走行時に発揮され、90km/hではガソリンエンジンよりも燃費が悪いと言われるハイブリッドを避ける傾向もまた顕著に見られます。常識的に考えてバッテリーが稼働しない速度帯(90km/h以上)ではバッテリーの分だけ余計に重いだけのクルマです。高速道路網の整備が進む中、まったくの時代錯誤ではという意見もあるほどです。
ホンダは世界販売では中型3車種(アコード・シビック・CR-V)をこれからも軸にすることは変わっていません。この3台が現在のアメリカの車種別販売トップ10以内にいずれもランクインしているのは確かに驚異的です。アメリカにおいては最強のベストセラーカー・メーカーとしての地位を得ています。しかしそのラインナップの「美味しい」部分をなぜか日本に入れてくれません。シビックの全グレードとアコードのガソリンモデルが無いわけです。当然ながらブランドのイメージも日本とアメリカでは大きく変わったものになってしまいます。
確かに直6のNAを消滅させたBMWもクソと言えばクソなのですが、ホンダの日本市場でのやり方はその次元を超えた強烈なまでの違和感があります。余計なお世話かもしれませんが、やはりミドルクラスのセダン/クーペあるいはスポーツカーでベストバイなガソリンモデルを置いておいてほしいというのが、クルマ好きの人々の率直な想いです。しかし現行オディッセイのFMCでさらに運転の楽しさを追求したモデルが減少する見通しです。
どうやらホンダもそのことは重々承知しているようで、急遽S2000の後継となるスポーツカーの導入を検討しているとのことです。もちろん実現すればもちろん素晴らしいことです。かつての「ホンダ」のネームバリューだけで、HVスポーツカーであるCR-Zが発売まもなく大ヒットを遂げてしまった性もあり、ホンダの日本における基本戦略はだいぶブれたものになりました。その後CR-Zは一気に失速してしまいました。よってホンダもある程度は基本戦略の練り直しを行っていると思います。再び300万円クラスのHVスポーツを作ってももはや何の反響もないでしょう。ホンダの早期の立ち直りを期待したいと思います。
日本国内の販売構造の変容はともかく、ホンダは今後段階的に中型モデルの刷新を図って、世界販売においては600万台まで増強する中期目標が公表されています。中型モデルが主軸のホンダではこれらの部品共通化で生産性の向上を目指すプランが盛り込まれてて、まるでVWの「MQBプラットホーム」を真似たような企画なのかなと推測しています。いまや1000万台級のメガメーカー(トヨタ・GM・VW)は小型車の増強で台数の底上げを図っていて、追撃するホンダも600万台越えとなると、中型車だけでは達成は困難で、新興市場にオートバイとセットでさらなる拠点を投下していくことになりそうです。
主力のアコードとフィットのFMCが既に行われました。その内容は「石橋を叩いて渡る」ような理詰めの常識的なマーケティングを前面に押し出したものになっています。どちらもトヨタのヒット車であるカムリHVとアクアをそれぞれ強く意識しています。マーケットも熟知した上での「後だしジャンケン」で、合理的に燃費性能できっちり上回っているのだから売れないはずはないでしょう。
それでもはたしてカムリHVやアクアのデビュー時に市場が感じたインパクトを超えられるのかと言われればやや疑問が残ります。カムリHVもアクアも周囲の予想を良い意味で裏切り、トヨタらしからぬ前衛的な好デザインで登場したことがスマッシュヒットにつながりました。もちろん燃費も素晴らしいですが、それ以上にデザインに唸った人々が多かったように思います。そしてこの2台のライバルとして、ホンダの新型車が登場してくるわけですが、アコードHVとフィットのデザインの印象はどうも訴求性が弱く感じてしまいます。
それでもアコードHVもフィットも競争力が高く、しぶとく国内シェアを切り取っていくだろうことは予想できます。ただこのままだとホンダの独創性は一体どこへ行ったのか?という一抹の不安も同時に感じます。ホンダの首脳部もこのことには既に危機感を持っているようで、日本で発売するかどうかも不明なNSXやレジェンドの情報を発売の3年以上前から積極的にリークをし続けていたりします。どうやらNSXもレジェンドも1000万円クラスのトップエンドカーになってしまうようですが・・・。
日本で発売されるホンダのラインナップでミドルクラスはCR-Vを除くと、アコードHVのみという設定になっています。これははいくらなんでも極端だと感じてしまいます。いくらハイブリッドが人気だからといっても、MAX燃費が60km/h走行時に発揮され、90km/hではガソリンエンジンよりも燃費が悪いと言われるハイブリッドを避ける傾向もまた顕著に見られます。常識的に考えてバッテリーが稼働しない速度帯(90km/h以上)ではバッテリーの分だけ余計に重いだけのクルマです。高速道路網の整備が進む中、まったくの時代錯誤ではという意見もあるほどです。
ホンダは世界販売では中型3車種(アコード・シビック・CR-V)をこれからも軸にすることは変わっていません。この3台が現在のアメリカの車種別販売トップ10以内にいずれもランクインしているのは確かに驚異的です。アメリカにおいては最強のベストセラーカー・メーカーとしての地位を得ています。しかしそのラインナップの「美味しい」部分をなぜか日本に入れてくれません。シビックの全グレードとアコードのガソリンモデルが無いわけです。当然ながらブランドのイメージも日本とアメリカでは大きく変わったものになってしまいます。
確かに直6のNAを消滅させたBMWもクソと言えばクソなのですが、ホンダの日本市場でのやり方はその次元を超えた強烈なまでの違和感があります。余計なお世話かもしれませんが、やはりミドルクラスのセダン/クーペあるいはスポーツカーでベストバイなガソリンモデルを置いておいてほしいというのが、クルマ好きの人々の率直な想いです。しかし現行オディッセイのFMCでさらに運転の楽しさを追求したモデルが減少する見通しです。
どうやらホンダもそのことは重々承知しているようで、急遽S2000の後継となるスポーツカーの導入を検討しているとのことです。もちろん実現すればもちろん素晴らしいことです。かつての「ホンダ」のネームバリューだけで、HVスポーツカーであるCR-Zが発売まもなく大ヒットを遂げてしまった性もあり、ホンダの日本における基本戦略はだいぶブれたものになりました。その後CR-Zは一気に失速してしまいました。よってホンダもある程度は基本戦略の練り直しを行っていると思います。再び300万円クラスのHVスポーツを作ってももはや何の反響もないでしょう。ホンダの早期の立ち直りを期待したいと思います。
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