ホンダが堂々と開発を明言していて、もはや逃げることも出来なくなった新型NSXですが、まだ発売までは1年以上を要するみたいです。クルマ自体は去年の段階でプロトモデルが完成していて、今年は一般公開の走行もありました。着実に完成へと向かっているようで、決して絵に描いた餅には終わらないのは確かでしょうが、NSXの開発発表のあとライバルと目される新型スーパースポーツカーがかなりの登場しました。実際の開発期間はそれほど変わらないのかもしれませんが、ホンダが「牛歩戦術」を意図しているのは確かのようです。
新型NSXがハイブリッドのAWDで登場することは早くからアナウンスされていました。駆動モータを電気信号で捜査して、左右の回転数をコントロールするホンダ版アテーサを本家の日産よりも軽量に作ってしまおうというコンセプトを早くからぶち上げていました。しかしアイディア自体は極めて初歩的なようで、今年相次いで登場したEVスーパースポーツのポルシェ918とBMWi8にもすでに似たような機構が採用されています。
この2台に先を越されたとはいえ、918は限定モデルにもかかわらず7500万円以上という価格がネックとなり苦戦。BMWi8はスタイルとは裏腹にとてもスーパースポーツと呼べる次元の性能ではない、けど環境性能だけで1500万円らしい・・・。どちらもこれから登場するNSXのことはとりあえずまったく気にしていない様子です。3者3様で上手く市場を分け合うだろうという見方もできますが、果たして911、GT-R、コルベットといった「権威」に、新たに挑んでいったマクラーレンMP4-12CやジャガーFタイプのようなインパクトをハイブリッドスポーツ勢も残せるのかは不透明です。
ホンダとしてはAWDとして先行しているBMWi8を踏み台にして、スムーズに新型NSXを市場に送り出そうという意図は確実にあるはずです。最終的には市場に受け入れられたGT-Rですらその登場時は少なからず逆風にさらされました。AWDのガソリンターボ車を極限まで効率化したクルマですらこの有様ですから、ハイブリッドのスーパースポーツカーの登場には想像以上の困難が待ち受けているでしょう。実際に918もi8もその難局に晒されつつあります。
さらにNSX特有の問題として、ホンダはパワートレーンとシャシーの開発を完全に分業化して取り組んでいて、開発コストの高騰やコンセプトのイニシアティブがどちらにあるのか?といったことが懸念されます。最終的に誰が全責任を負って作っているのかも不明確なままに、日本のエンジニアと米国のエンジニアそして技術畑出身である社長を含めた幹部がそれぞれに「怪情報」を散発的にリークしています。
新型NSXはニュルで7分を切るのか?それともあくまで環境性能に配慮したクルマなのか?ポルシェ918はこの矛盾する2つの要素をしっかりと追いかけ達成したようですが、7分を切ったグレードの車両価格は8500万円で市販車の次元を超えてしまっています。V6+3モータHVというシステムでおそらく600ps近くのパワーを出してくるとは思いますが、先行する918がすでに800psオーバーということを考えても、ホンダにとってセールスポイントとなる「カード」が不足している気がしますね・・・。
それでも初代NSX発売時もスーパーカー初体験のホンダに対して不安を隠せないネガティブな論調が多かったと聞いています(なにせ小学生だったもので・・・)。それでも20年以上過ぎた現在でも色あせることない名車として初代NSXはカレラGTと並ぶほどの名車として人々の羨望の眼差しを得ているのですから、ホンダの実力を信じていればいいのかな・・・。
↓写真で見るよりこのクルマは繊細で美しいです。実はとっても興味があります。
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